プロセスとじょうづる。

昨日、自分が所属するNPOの新年会で、
「美術の時間」の仲間が「西洋美術史から現代アートの流れ」をお話することになったので、
それにチョット便乗させてもらうかたちで、陶芸のことも少しお話させていただきました。
陶芸というと「つぼー」とか「ちゃわん」とか「作家ものの少しおしゃれな器」ぐらいが一般的な状況で、私は
陶芸教室で「じょうづるさん」をつくって展示したり、教室に来られた方とも一緒につくってみんなと発表したり・・。
「これって、どういうこと?」と思ってる方がいらっしゃるかもしれないとおもったし、
「陶芸ってお茶碗をつくってる人ばっかりじゃないよ。」と、いうことを理解していただきたかったからです。
そしてまず、はじめに陶芸には大きく4つの傾向があることをお話しました。①伝統陶芸②創作陶芸(日展)③クラフト④前衛陶芸
そして、前衛陶芸が純粋美術と違うことは素材を自由に選んで作家の概念や個性を表現するのではなく、現代陶芸は土のプロセスに自我が溶け込んでいくように形をつくりだす。本質は形と「プロセス」がどちらが先か、どちらが重要かではなく、不可分に連動したものである。ということ。〔参照・現代陶芸の造形思考 金子賢治〕
と、いうようなことを皆さんに聞いていただきました。
そして、これを描いていて思い出したのですが、現代美術家のクリストが作品の制作過程にとても愛情を持っていたということ。ヨゼフボイスの社会彫刻・・。
クリストもボイスも作品はもちろんとても素晴らしいですが、それ以上に大事にしたことがプロセスにあるということ。社会だって最近、仕組やプロセスの重要性がとりあげられています。
現代陶芸にもどると、粘土から焼成までそのプロセスに作家の表現を沿わせていくという考え方。
なんかよくまとまりませんが、どれもよく似ている気がします。
それで、私のじょうづる活動にもどりますが、これはどういうことでしょうか、私が望んでいたことは地域の少子化人口減少を目の当たりにし、人口減少は止められないけど、このまま黙ってそれを眺めていられなかった。地域の方とこの問題を私事としてとらえたい。ということからでした。この思いを共有する為に粘土でじょうづるをみんなでつくり焼成しました。この作業は粘土の塊からじょうづるを形つくることです。
みなさんとてもじょうづるに愛情をもち、いくつも作るかたもいれば、市の施策の宣伝マンになって下さったかたもいらっしゃいました。どうしてこんなに愛情をもち、作品ができあがった後にも活動して下さるのかと思うのですが、皆さんの地域愛はもちろんですが、私は陶芸の作品ができるまでの粘土の感覚や作品を制作するまでの時間、焼成の不思議からじょうづるに愛情が沸いたのではないかとおもいます。やはりここでもプロセスの重要性を感じます。
プロセスといっても色々なプロセスがありますが、そのひとつひとつを丁寧に積み上げるとなんだかすごいことがおこるんじゃないか!と、妄想妄想してしまう私です。

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