人間としての基本
「茶道具を作ってみない?」
水戸の桃花堂さんからのお誘いがあり、
チャレンジする事にしました。
関西で芸大生のころ教授は生徒に
「茶碗」を作る事を禁じてました。
「そんなもんかな・・」と
深く問うこともせずいましたが、
今、考えてみると多分教授は
「お茶碗ひとつに何百万もする世界に、容易に
近づくものじゃない。もっとするべきことがあるでしょう・・」
と、言いたかったんじゃないかな・・と推測します。
実際に高い、たかーいお値段の茶碗には今まで縁はなかったし、
じっくりとお茶の世界に触れることもありませんでしたから!
でも、今回チャレンジする運びになり、
ふらりと入った本屋さんで、裏千家の大宋匠、千玄室さんの
言葉をみつけて、
「あっ、そうか・・これならわたしにも理解できるし、そんな世界に憧れるなぁ」
と、素直に思うことができました。
その言葉は
「お茶の飲み方で最も大切な濃茶はひとつの碗に点てたお茶を、
その場に集まった人々が分け合って、回し飲みをします。身分も人種も関係ない
「人の平等」を、「世界人類はひとつ」ということを、この一碗の茶は表して
います。
また、ひとりひとりに点てられる薄茶では、先に飲んだ隣の方に「もう一服
いかがですか?」と、まず尋ね、次の方には「お先に」と声をかけて、
そして自分がいただく。そこには他人を気遣い、大切にする心があるのです。
人が先、自分が後、です。
お茶を知る事、お茶の心に触れることは、人間としての基本を知り、心を育む
ことにほかなりません。
わずか二畳にまで集約される茶室というミニマムな空間で行われる茶道は、
人種も国境も越えた大いなる世界につながっているのです。」
茶道・・お茶の世界・・
なんと、ピースフルでしょう!
こんな、茶道の世界に憧れをもちつつ
まだまだ、勉強する事はたくさんありますが、
約一年後に行われる茶道具展の作品の制作にそろそろ向かいます。